セラミック矯正は、歯列矯正より短期間できれいな歯を得られるのが特徴です。
しかし、実際にはどんなことをして、どれくらいの期間や回数で完了するのか、わからないものだったりします。
この記事では、セラミック矯正のやり方と治療期間や回数について解説します。
この記事を読むことで、セラミック矯正の治療の流れと必要な期間や回数について理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
- セラミック矯正ってどういうことをするの?
- 歯の色や形はどうやって決めるの?
- 何回通えばいいの?
目次
セラミック矯正の流れ
セラミック矯正は、一般的にどのように行われるのか、その流れを説明します。
診察・相談・診断
患者さんの気になっていることや希望の聞き取りをし、レントゲン写真や歯周病検査、直接口腔内を見て情報を集めます。
歯や歯周組織の状態、希望する内容によってはセラミック矯正が適さないこともあるため、この段階で他の治療法を提案することもあります。
セラミック矯正が可能と判断できれば、次のステップに移ります。
虫歯・歯周病の治療
虫歯や歯周病がある場合は、セラミック矯正を行う前にそれらの治療を完了させます。
特に根管治療を必要とする場合や軽度以上の歯周炎がある場合には、セラミック矯正治療後に根の先が化膿したり、歯周病による歯肉退縮のリスクがあるため、確実に治療する必要があります。
仮歯の作成
診察・相談・診断の段階で得た情報を元に、最終的な仕上がりを模した仮歯を作ります。
歯を削る日に口の中で直接作る方法と、歯を削る日よりも前に歯型採りをして、技工士に仮歯を作成してもらい、後日装着する方法があり、どちらを採用するかはケースによります。
この仮歯は特にプロビジョナルレストレーションと呼ばれ、次のステップで大事な役割を果たします。
仮歯の装着、歯肉の調整
歯を削り、仮歯を装着します。
仮歯を装着してすぐのうちは仮歯と歯肉が馴染んでいないため、見た目などに違和感を覚えることがあります。
特に削るときに多少歯肉を触ることになり、出血を伴った場合には仕上がりのイメージから離れて見えることもあります。
2週間程度経つと、歯肉のターンオーバーにより仮歯と歯肉が馴染んできます。
このとき、歯の角を落として欲しい、少し引っ込めて欲しいなどの希望に合わせた仮歯の形態の調整を行います。
また、将来の歯肉退縮を予防したり、歯肉のプロポーション改善のためにエマージェンスプロファイルという仮歯の歯肉に隠れている部分の形を修正します。
調整や修正をした後、再び待機期間を設けて状態を確認し、必要に応じて調整、修正を行います。このステップは必要のない場合もありますが、こだわって仕上げる場合には数ヶ月以上かけることもあります。
歯型採り
仮歯の形、歯肉の状態に問題がなければ、歯型採りを行います。
歯型採りには主に専用のシリコンが用いられますが、シリコンが苦手とする条件のときは、保険診療と同じ型採り材を使うこともあります。また、インビザラインのような光学印象で行うこともあります。
そのケースに応じ、最も適切と思われる材料や手法で歯型採りを行うことになります。
歯の形の参考とするため、仮歯を装着した状態の歯型も合わせてとります。
色合わせ(シェードテイク)
仕上がってくる歯の色を決めます。
シェードガイドと呼ばれる色見本を用いて手鏡を使いながら確認したり、写真を撮って記録します。
歯型採りの日とは別の日に、実際に作製する技工士が立ち会って行うこともあります。
装着
仕上がってきたセラミッククラウンを装着します。
特に問題なければ専用のセメントで接着させますが、咬み合わせや色なじみを確認するためにまずは仮着けをし、1~2週間程度して問題ないことが確認できてから本着けとする場合もあります。
専用のセメントで接着させた後は基本的に取り外しは不可能で、取り外したいときには必ずセラミッククラウンを壊して外すことになります。
そのため、完全にこれで良しとできるまでは、しばらく仮着けで過ごすこともあります。
セラミック矯正の治療の回数と期間は?
セラミック矯正の治療回数と期間は、最短2回、2週間程度~数か月程度となります。
歯や歯周組織に問題がなく、歯の形態も現在の歯と大きな違いのないものでよく、色も色見本通りで大丈夫で歯肉調整も不要であれば、最短の回数で行うこともできますが、形態や色調の変更や歯肉調整を伴う場合には、その分必要な回数が増えます。
言い換えれば、目指すセラミッククラウンの状態によって、治療回数と期間が変わります。
ある日、ある時期までにどうしても完了させたい、時間はかかってもいいから良い仕上がりにしたいなど、患者さんの希望に応じて調整することになります。また、治療対象とする歯の本数によっても多少変化することがあります。
【まとめ】セラミック矯正のやり方と治療期間や回数について
セラミック矯正治療の流れ、治療にかかる期間や通院回数について解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。
・セラミック矯正では治療する歯をいったん仮歯に置き換える
・仮歯で形や馴染みに問題なければ歯型採りをしてセラミッククラウンを作る
・治療期間や回数は患者ごとに変わる
セラミック矯正は、患者さんそれぞれの状況やニーズによって行う内容とかかる期間や回数が変化します。
セラミック矯正を考えているときは、早いうちに希望の期間等を伝え、スムーズに治療を進めらるようにするといいでしょう。