インビザラインでの矯正治療を調べてみると、必ずクリンチェックというものが出てきます。
インビザラインのシミュレーションをするものだということはだいたいわかりますが、医院や歯科医院のサイトによっては、微妙に説明が異なるところもあります。
この記事では、クリンチェックについてとインビザラインにおけるクリンチェックの重要性を解説します。
この記事を読むことで、インビザライン治療のクリンチェックとは何か、どうしてクリンチェックが重要なのかを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
- クリンチェックで何がわかるの?
- クリンチェックはどのように作られるの?
- インビザラインの治療中に虫歯治療など他の治療を優先しなければならない時はどうなるの?
目次
クリンチェックとは
クリンチェックとは、インビザライン独自の3Dシミュレーション(ソフトウェア)のことです。主に口腔内スキャナーで取り込んだ画像から3Dモデルを構築し、現在の歯並びから矯正治療後の歯並びの予測と、そこに至るまでの途中経過のシミュレーションを作ります。
クリンチェックでは、歯1本ずつ仕上がりの予測を調整することができ、調整ごとの歯列全体への影響をリアルタイムで確認することができます。
また、クリンチェック上でアタッチメントの位置や数や形、抜歯を行うか、ゴムかけなどの補助手段を行うかなどのパラメータを設定することも可能です。クリンチェックを3DのCT画像と連携させることで、より精度の高い予測を行うこともできます。
クリンチェックは、ただのシミュレーションソフトではなく、治療開始前から終了後までをまとめて管理するインビザライン治療の設計図ともいえます。
クリンチェック前後の流れ
クリンチェックがどのような手順で作られるのか紹介します。
診察・相談、資料取り
クリンチェックを行う前に診察・相談を行い、矯正治療で改善したいことや気になるポイントの聞き取りをします。
次に口腔内スキャナーで3Dモデルを構築するほか、口腔内写真やCT撮影など、治療の途中経過や前後で評価できるようにする記録をとります。
クリンチェック
診察・相談で得た治療への希望を加味して、シミュレーションを作成します。
クリンチェックのシミュレーションそのものは歯科医院ではなく、インビザラインのメーカーであるアライン・テクノロジー社で作成されます。
作成されたシミュレーションに歯軸やアタッチメントの変更などの調整を加え、最終的な治療計画とします。
この行程がインビザライン治療の最も重要な、核心部分ともいえます。治療途中での計画変更や追加アライナー作製などがなければ、保定まで最初に作ったクリンチェックに基づいて治療が進むことになります。
治療開始
クリンチェックでの治療計画とシミュレーションで問題がなければ、アライナーの作製をオーダーし治療開始となります。
クリンチェックを行った段階ではアライナーは作られていないため、アライナーが製造されて送られてくるまで、おおむね2週間ほどの待機期間が必要になります。
クリンチェック後に虫歯などの治療が必要になったら
クリンチェックを行い、インビザラインが「治療開始または治療中に虫歯ができてしまった」「歯が欠けてしまった」などの理由で治療が必要となった場合、その状況によりどちらかのパターンになります。
インビザラインがそろそろ終わるというタイミングやすぐに治療を必要としないレベルの虫歯である場合、インビザラインを優先して進めてインビザラインの治療終了後に虫歯などの治療を行うパターンをとることができます。
インビザラインの治療終了まで期間があり治療終了までは待機できない、このまま置いておくとインビザラインの治療に支障をきたす、インビザラインを中断してでも直ちに虫歯治療を開始した方が良い状況では、虫歯などの治療を優先して行い、それらの治療が終了してから再度口腔内をスキャンしてクリンチェックからやり直します。
矯正治療のプラン修正や追加アライナーを作製するときは
インビザラインの治療途中で「歯の形が変わる治療を行った」「クリンチェックで作ったシミュレーション通りに動かなかった」「予想外の歯の動きをしてしまった」「治療は滞りなく終わったが仕上がりが十分とはいえない」など、様々な理由で治療プランの修正や追加アライナーを作ることがあります。
この場合、新しいアライナーを作るために口腔内スキャナーでのスキャンから治療のステップをやり直すことになります。また、インビザラインでの動的治療が完了しビベラリテーナーで保定に入るときには、仕上がり状態の口腔内をスキャンして、クリンチェックからビベラリテーナーをオーダーします。
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【まとめ】インビザラインにおけるクリンチェックの重要性
インビザラインは、事前に治療の進み方を視覚的に確認できるツールという面だけでなく、治療全体を組み立ててインビザラインでの治療を支えるツールとなっています。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。
- クリンチェックはインビザライン治療の設計図
- クリンチェックで治療前の治療計画の修正・変更ができる
- 治療途中でもクリンチェックをやり直すことで治療計画の軌道修正ができる
インビザラインで作製されるクリンチェックでは、視覚的に自分の歯並びがどのくらいの期間でどのようにして動いていくのかを確認できます。これには、長い歯列矯正の治療期間中の患者さんのモチベーションを維持していく役割もあると言えます。
インビザラインのクリンチェックがどういったものかご興味がある方は、まずはインビザラインを扱っている矯正歯科に相談に行くことをおすすめいたします。