インビザラインGoのメリットとデメリットとは?

インビザラインGoのメリットとデメリットとは?

「インビザラインで前歯の歯並びを良くしたい」そんな時、大掛かりな矯正治療や高額な費用で、決断しきれずにいませんか?

「治療費を抑えて、見た目をきれいにしたい」そんな願いが、インビザラインGoで叶うかもしれません。

この記事では、インビザラインGoの特徴とメリット・デメリットについて解説します。

この記事を読むことで、インビザラインGoを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。

  • インビザラインとインビザラインGoの違いは?
  • インビザラインGoは、どうして治療費が安くなるの?
  • インビザラインGoのデメリットは?

目次

インビザラインとは

インビザラインとは、アライン・テクノロジー社(アメリカ)により提供されている、マウスピース型矯正装置のことです。

透明なマウスピースをご自身でお口の中に装着することで、歯並びを改善していくシステムでブラケットやワイヤーといった金属色の固定式装置を一切用いることがありません。

また、インビザラインはアタッチメントと呼ばれる半透明~歯冠色の小さな突起を歯に装着することによって、歯に三次元的な矯正力を加えることを可能にしました。

その結果、様々な症例に対応した矯正システムとなっています。

インビザラインには、様々な種類があります。

ここでは、インビザラインGoと区別するため、アライン・テクノロジー社のマウスピース型矯正装置全般のことを「インビザライン」、最も広く使用されている全顎的治療用のシステムのことを「インビザライン・コンプリヘンシブ」と記載します。

インビザラインGoとは

インビザラインGoとは、アライン・テクノロジー社が新たに開発したマウスピース型矯正システムです。

インビザラインGoでは、歯列の1番奥及び奥から2番目の大臼歯と呼ばれる歯を除いた20本の歯列矯正を行います。

矯正する範囲を限定することによって、全顎的な治療用のインビザラインであるインビザライン・コンプリヘンシブと比較して、低価格・短期間で矯正治療を行うことを可能にしました。

インビザラインGoの適応症例

前歯部に限局した、部分的な歯並びの改善が適応となります。

具体的には、以下のような歯並びに用いることができます。

  • 歯の大きさに対して、歯が並ぶスペースが足りずに前歯同士が重なり合ったり、前後にずれて生えてきたりしている(叢生)
  • 歯の大きさに対して、歯が並ぶスペースが広すぎて前歯と前歯の間にすき間が空いている(空隙歯列)
  • 奥歯でしっかり咬んだ時、上下の前歯の間にすき間ができる(開咬)
  • 奥歯でしっかり咬んだ時、上の歯が数本、下の歯の内側に隠れてしまう(交叉咬合)。

インビザラインGoのメリット

インビザラインGoには、従来からの歯列矯正にはないメリットがあります。

低価格で治療期間が短い

インビザラインGoは、前歯20本に限局した矯正システムです。

使用するマウスピースの数は、20枚までとなります。

症例にもよりますが、インビザライン・コンプリヘンシブの治療費が80100万円前後が相場なのに対し、インビザラインGo4050万円前後が相場となっています。

また、治療期間はインビザライン・コンプリヘンシブが約2年間なのに対して、インビザラインGoは半年~1年間が目安となります。

使用するマウスピースやシステムが、インビザライン・コンプリヘンシブと同じ

使用するマウスピースは、インビザライン・コンプリヘンシブと同様の素材で、同様のシステムで作られます。

また、歯にアタッチメントといわれる突起物を装着することによって、3次元的な歯の移動も可能となります。

費用が安いからといって、品質が悪くなるというわけではありませんのでご安心ください。

奥歯の咬み合わせが変化しない

歯全体の咬み合わせを決定づけるのは、大臼歯と呼ばれる一番奥及び奥から2番目の歯になります。

インビザラインGoでは、この大臼歯を動かすことがないので、今までと奥歯の咬み合わせが大きく変わることがなく、食事の際などにうまく咬めなくなった、などのトラブルが発生しにくくなります。

痛みがでにくい

歯を少しずつ移動させていくので、歯を動かす時の痛みが出にくいことも、インビザラインの特徴の1つです。それに加えてインビザラインGoでは、最も動かしにくい大臼歯が含まれないので、治療期間の短縮および痛みの軽減に繋がっています。

また、インビザラインのマウスピースは歯肉に被らないように製作されているので、歯肉を痛めることがありません。

ワイヤー矯正のブラケットやワイヤーなどの複雑な装置と比較すると、装置全体が丸みを帯びてツルツルしているので、口腔内に傷が出来る可能性も非常に低くなります。

食事や清掃がしやすい

矯正時に苦労するのが、食事と口腔内清掃ではないでしょうか。

インビザラインは、マウスピースをご自身で外すことができるので、矯正前と変わらず食事をとったり、口腔内清掃を行ったりすることができます。歯と歯をワイヤーで連結することもないので、デンタルフロスなども容易に通すことが出来ます。

インビザラインGoのデメリット

インビザラインGoは、前歯部の軽度な矯正治療に非常に有効です。しかし、デメリットも存在します。

治療を開始してから「こんなはずじゃなかった」と思うより、デメリットをしっかり理解した上で、治療を受けるかどうかを考えていくことが大切です。

適応症例が限られる

インビザラインGoは、前歯の部分的な歯列不正が適応となります。しかし、歯列不正が前歯部のみに見えたとしても、その治療のために奥歯の移動が必要となる症例には適応できません。

例えば、歯を並べるスペースが足りない場合、歯並びのアーチが大きくなるように歯列を全体的に広げていくことが多くなります。しかし、インビザラインGoの場合は、大臼歯を動かすことが出来ないので、アーチを広げてスペースを作ったり、大臼歯を奥に移動させてスペースを作ったりすることが出来ません。

歯を動かす為のスペースが必要な場合は、歯と歯の隣り合う表面を少しずつ削ってスペースを確保するIPRという方法を用いることが多くなります。

また、気になるところが前歯部のみだったとしても、全体的な咬み合わせから治療を行う必要が出てくる場合は、インビザラインGoで治療を行うことは難しくなってきます。顎骨の大きさの不調和が原因である骨格性の歯列不正の場合も、インビザラインで治療することができません。

インビザラインGoは、あくまで前歯部に限局した、部分的な矯正に対するシステムであると考えたほうが良いでしょう。

作成可能なマウスピースの枚数に制限がある

インビザライン・コンプリヘンシブは、無制限にマウスピースを作成できるのに対して、インビザラインGoでは、マウスピースの枚数が20枚までという制限があります。そして、1枚のマウスピースで可能な歯の移動距離は決まっています。

つまり、限られた枚数の中で治療を完結させるような計画を立てる必要があります。そのため、歯列不正の程度が強い場合は、インビザラインGoを適応することが出来ません。インビザライン・コンプリヘンシブと比較すると、歯を動かす距離にも制限がかかるということができるでしょう。

限られた枚数の中で治療を完結できる症例こそが、インビザラインGoの能力を最大限に発揮することが出来るのです。

取り扱っている医院が少ない

インビザラインは、専用の解析ソフトを用いて症例の解析およびシミュレーションを行い、治療計画を決定していきますが、決して機械任せの治療ではありません。治療計画を立案するには、経験豊富な歯科医による介入が必要不可欠なのです。

そのため、インビザラインGoを熟知した歯科医師のもとで、治療を行うことをおすすめします。また、インビザラインを取り扱っている歯科医院であっても、インビザラインGoを取り扱っていない場合がありますので注意が必要です。

インビザラインを取り扱っている歯科医院については、インビザライン・ジャパン公式ホームページにて検索することができます。

インビザライン・ジャパン公式ホームページ

一日の装着時間を守る必要がある

インビザラインは、1日2022時間以上の装着が必須となります。そのため、食事や歯磨きの時間以外のほとんどの時間、マウスピースを装着する必要があります。

マウスピースを装着している間は、飲食をすることはできません。そのため、頻繁に味見をする必要があるような、料理人やパティシエなどといった職業の方は、インビザラインでの矯正が難しいかもしれません。

自己管理が必要

インビザラインでは、来院回数が12か月に1回程度なので、ワイヤー矯正などに比べると通院回数が少なく済みます。その分、自己管理が求められます。

装着時間もそうですが、新しいマウスピースに交換する時期なども、自分で管理していかなければいけません。

また、マウスピースの紛失や破損などにも注意が必要です。特にインビザラインGoは治療期間が短いので、その間の徹底した自己管理が治療の仕上がりを左右することになります。

年齢制限がある

年齢制限といっても、実年齢ではありません。

インビザラインGoは、顎の成長が終了している方のみが適応となります。顎の成長の進み具合などは、歯科医師がレントゲンで確認することができます。

顎の成長・発育をサポートし、歯並びを整えるシステムとしては、インビザライン・ファーストというシステムがあります。

インビザライン・ファーストは、マウスピースを用いて顎の発育をサポートし、歯が萌出するスペースを確保しつつ、歯並びを整えていくシステムです。適応症例は、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期(610歳程度)となります。

乳歯から永久歯への生え変わりの状態によって適応が異なってきますので、歯科医師に相談してみることをお勧めします。

【まとめ】インビザラインGoのメリットとデメリットとは?

インビザラインGoの特徴とメリット・デメリットについて、解説しました。

この記事では、下記のようなことが理解できたのではないでしょうか。

  • インビザライン・コンプリヘンシブは、全ての歯に対応したシステムであり、作成可能なマウスピースの枚数および治療期間に制限がない
  • インビザラインGoは、治療可能な歯を20本、作成可能なマウスピースの枚数を20枚に限定することによって、低価格、短期間での前歯の部矯正治を可能にしたシステムである
  • インビザラインGoのメリットは、費用が安く、治療期間が短い、使用するシステム及びマウスピースが、インビザラインと同じクオリティである、咬み合わせや違和感が出にくい、食事や清掃がしやすいなどが挙げられる

インビザラインGoのデメリットは、適応症例が限定される、作製可能なマウスピースの枚数に制限がある、取扱っている歯科医院が少ない、装着時間やマウスピースの管理など、自己管理が必要であり、それによって治療効果が出ない可能性がある、顎の成長期の矯正治療は適応外であるなどが挙げられる

インビザラインGoは、前歯部に限局した部分的かつ軽度な矯正治療に特化したシステムです。

「治療費が安い」「短期間で治療が終わる」といった理由でインビザラインGoを選ぶのではなく、まずは歯並びのどこを治したいのか、それに対してどのような治療法が最も有効なのかを矯正医と話し合うことから始めましょう。

そして、その治療計画に対して、インビザラインGoのシステムが適応される場合はインビザラインGoを選択するといった考え方が良いかと思います。適応症例さえ選べば、インビザラインGoはインビザライン・コンプリヘンシブと遜色ない、非常に優れたシステムです。

インビザラインによるマウスピース矯正を検討する際は、御自身が気になる歯列不正部位をしっかりと伝えた上で、医学的な歯列不正の部位およびその原因、治療法の種類などについて、説明してもらうようにしましょう。

その上で、実際にどのようなシステムで治療を行っていくのかを、歯科医師と話し合っていくことが大切です。


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