第一印象が良く見えるポイントの一つに素敵な笑顔が挙げられます。
例えば、芸能人のような引き込まれる笑顔に憧れる方も多いのではないでしょうか。実は好印象を与える笑顔には、口元が大きく関係しているのです。
矯正歯科治療では、歯の排列位置を審美的、機能的に問題ない状態に整えることはもちろん、矯正治療が終わったのちの下顔面部の顔貌バランスも考慮して治療を進める必要があります。そして、矯正治療における下顔面部の前歯部排列、顔貌バランスの基準のひとつにスマイルラインがあります。前歯がきれいな芸能人の多くは、理想的なスマイルラインを描いています。
では、理想的なスマイルラインはどのようなもので、それを獲得するにはどのように歯列を整えていけば良いのでしょうか?
この記事では、矯正治療で重要な要素であるスマイルラインについて解説いたします。
この記事を読むことで、口元の印象を左右するスマイルラインの重要性や、スマイルラインを考慮した歯の排列について理解でき、下記のような悩みを解決します。
こんな疑問が解決
- スマイルラインとは
- スマイルラインが口元の印象に与える影響
- 理想的なスマイルラインの特徴
- 理想的なスマイルラインを作り上げる矯正治療
目次
スマイルラインとは
スマイルラインとは、笑ったときの上顎前歯の切縁を結ぶ曲線を指します。下口唇のドライ-ウェットラインと比較することで、上顎前歯部の歯列を評価します。上顎前歯部の歯冠形態や排列位置を決定する際の指標となります。
スマイルラインがもたらす印象の違い
スマイルラインがどのように見えるのかが、口元の印象に大きく影響します。具体的には、緩やかな円弧状を示すと女性的、水平で直線状ですと男性的な印象が強くなるとされます。
下顎骨の成長発育には性差があり、男性の方が強くなる傾向があり、女性の咬合平面が一般的に男性と比べて前下方に傾斜しやすいからです。したがって、矯正治療においてスマイルラインを考慮する場合は、性差も考えておく必要があります。
理想的なスマイルライン
理想的とされるスマイルラインは
- 上顎前歯部の正中が顔面の正中と一致している
- 上顎と下顎の正中線が一致している
- 上顎前歯部の排列位置が左右対称である
- 咬合平面の水平的な傾斜がない
- 笑ったときに、下口唇のドライーウェットラインと平行関係にある
以上のようなスマイルラインです。
スマイルライン以外の下顔面部バランスの評価法
前歯部歯列や下顔面部の顔貌バランスの評価法はスマイルラインだけではありません。
リップライン
スマイルラインに似た口元の審美的評価法にリップラインがあります。リップラインとは、笑ったときに上口唇が描く曲線です。リップラインは、高位・中位・低位に分類されます。
高位は、笑ったときに歯肉縁から3㎜以上歯肉露出しているリップラインです。
中位は、笑ったときの歯肉露出の範囲が歯肉縁から1〜3㎜ほどであるリップラインです。
低位は、笑ったときに上口唇により上顎前歯の一部が被覆されるリップラインをいいます。
すなわち、リップラインは笑ったときの歯肉露出や前歯部の露出範囲の指標に用いられる基準です。
Eライン(エステティックライン)
Eラインは、Esthetic-line(エステティックライン)の略で、鼻尖とポゴニオン、つまりオトガイの最前方点を結ぶラインです。Eラインと上口唇と下口唇の位置関係により、下顔面部の側貌を評価します。
Eライン(エステティックライン)とは?チェック方法と横顔美人の基準
矯正治療におけるスマイルラインの活用
スマイルラインを用いれば、前歯部の理想的な排列位置が自ずと明らかになります。
前歯部の正中一致
上顎前歯部の正中線と下顎前歯部の正中線を一致させるだけではありません。顔貌の正面の正中線とも一致させます。
左右対称性
正中線の一致と同じくらいに重要なのが、前歯部歯列の左右対称性です。前歯部歯列の対称性には、両側の歯の排列位置だけでなく、歯の形やサイズも含まれます。左右対称になるように歯を移動させるだけでなく、歯の形やサイズも左右対称にします。
咬合平面の水平性
咬合平面が水平でなく、左右どちらかに傾斜している場合、笑ったときに前歯が左右均等に見えなくなり、違和感のある笑顔になってしまいます。したがって、咬合平面も水平になるように歯を排列させる必要があります。
上下顎の被蓋関係
上顎前歯と下顎前歯の被蓋関係、つまり重なり具合は、上顎前歯の切縁が下顎前歯よりも唇側にあり、下顎前歯の切縁を少し覆うような排列が理想的です。
歯の高径
前歯の形態は、切歯と犬歯で異なります。理想的なスマイルラインを描くためには、中切歯と側切歯の切縁を並べるだけでなく、犬歯の切端と中切歯をほぼ一致させなければなりません。前歯部の高径も理想的になるよう歯を移動させます。
リップライン
スマイルラインは、前歯部の切端の描く曲線です。理想的な歯列を考えると、笑ったときの歯肉露出も重要となります。リップラインは、中位におさまるのが理想的です。
微笑んだときの前歯部の露出
軽く口を開けて微笑んだとき、上顎前歯の切縁が数㎜程度見えるように排列します。
【まとめ】スマイルラインとは?矯正治療で作る理想の歯並び
矯正治療で理想的な前歯部歯列の基準として、スマイルラインについて解説しました。
この記事では、下記のようなことがわかったのではないでしょうか?
この記事のおさらい
- スマイルラインは、理想的な前歯部歯列の基準になる
- スマイルラインの見え方により、口元の印象が大きく変わる
- 理想的なスマイルラインは、顔貌や上下顎の正中線の一致など、対称性がポイントになる
- 口元の美しさは、前歯部の排列位置がとても重要になる
人の顔を見たときに一番印象に残るのは目です。目は口ほどに物を言うというように、感情をもよく表します。
一方、歯は目のように感情を表すことはありませんが、笑顔の口元から見える白い歯、そして歯列は、その人の印象に大きく影響します。したがって、前歯部の排列位置はたいへん重要です。
美しい口元と素敵な笑顔を目指すには、スマイルラインやリップラインを考慮した歯列矯正が大切なので、専門的な知識を持つ矯正歯科へ相談してみてはいかがでしょうか。