中学生・高校生におすすめの歯列矯正は何?かかる費用や平均の相場も解説

中学生・高校生におすすめの歯列矯正は何?かかる費用や平均の相場も解説

中学生・高校生では歯列矯正はもう遅い?!

そんなことはありません。

中学生・高校生で歯列矯正を行うことには、小児矯正とも成人矯正とも異なるメリットが存在します。しかし、注意しなければいけない点もあります。

この記事では、中学生・高校生におすすめの歯列矯正の種類、平均費用相場やローンが使えるのかなども併せて紹介します。

この記事を読むことで、中学生・高校生で行う歯列矯正について理解が進み、下記のような疑問や悩みを解決します。

  • 中学生・高校生が歯列矯正を行うメリットは?
  • 中学生・高校生が歯列矯正を行うデメリットは?
  • 中学生・高校生が行う歯列矯正費用の平均相場はいくらくらい?
  • 中学生・高校生でもデンタルローンは組めるの?

目次

中学生・高校生の歯列矯正のメリットとデメリット

歯列矯正は年齢によって、小児矯正と成人矯正に分けられます。

中学生・高校生は成人矯正に含まれますが、大人とも、子供とも違った特徴があります。その特徴をメリットとデメリットに整理してみていきましょう。

メリット

まずは、中学生・高校生が行う歯列矯正ならではのメリットをみていきます。

永久歯が全て萌出している

中学生では、全ての乳歯が永久歯と置き換わり、智歯(親知らず)を含めない全ての永久歯が萌出している、いわゆる永久歯列の時期になります。

そのため、永久歯の萌出位置及び歯の大きさの予測が必要な小児矯正とは異なり、永久歯の実際の萌出位置を直に確認しつつ、永久歯に直接力を加えて、位置やバランスを整えていくことができます。

顎骨の成長予測がつきやすい

歯列矯正では、歯の大きさと顎の大きさのバランス、上と下の顎の大きさのバランスが重要になってきます。

歯の大きさは顎骨内で形成されてしまえば、その後に大きさが変化することなく萌出してきます。しかし、顎骨の大きさは成長するに従って成長していきます。そして、上顎と下顎では成長のピークも異なるのです。

頭蓋骨や上顎骨は脳など神経系と成長速度が同じで、8歳くらいをピークに大体10歳くらいまでに成長が完了します。

一方、下顎骨は、骨格・筋肉・循環器や消化器などと成長速度が同じで、20歳くらいまで成長を続けるのです。

そのため、中学生・高校生の時期では、成長が完了した上顎骨の大きさを基本として、下顎骨の成長促進や抑制などを誘導することが出来る時期となります。

歯が移動しやすい

中学生・高校生の時期は、顎骨が完成して間もない、もしくは成長途中のため、歯周組織の細胞の働きが活発です。

歯の位置を移動するには、歯周組織の細胞の代謝が必要不可欠となってきます。そのため、この代謝が良い時期に歯列矯正を行うことによって、傷みの軽減や治療期間の短縮が期待できます。

環境変化が少ない

中学校から高校に進学する際には環境の変化はあるかと思いますが、初めから決まっていることですね。

仕事の関係による転居や結婚・出産などの環境の変化と比較すると、予測しにくい環境の変化が少ない時期であるといえます。

受験や成人式など、予測のつくイベントに関しては、最初から相談していくことが重要です。

歯磨きなどの自己管理が出来る

中学生・高校生となると、適切な指導によって口腔内清掃などの自己管理の重要性を理解し、実践していくことができるようになります。

この時期に、TBITooth Brushing Instruction:歯磨き指導)を学ぶことによって、しっかりとした口腔内清掃の習慣をつけることが出来ます。そして、歯列矯正が終了した後も、生涯にわたってう蝕や歯周病のリスクを軽減することにつながります。

物事に積極的になり、自己肯定感の向上につながる。

中学生・高校生の頃は思春期にあたり、自己肯定感が低下しやすい時期になります。

このような時期に「歯並び・噛み合わせを綺麗にする」という明確な長期的目標を持ち、それに向かって努力をすることは、大変貴重な経験となります。また、最後までやり遂げたという達成感・成功体験は、自己肯定感の向上にも繋がり、大きな自信となることでしょう。

「歯並びが綺麗になった」ということにより、笑顔が増えたり、初対面の人と積極的にコミュニケーションを取るようになったりするという話をよく耳にします。また、見た目の問題だけでなく、様々なことに前向きに取り組むようになる方、長期的な目標にも積極的になる方が多い傾向にあるようです。

デメリット

では、中学生・高校生が行う歯列矯正のデメリットと、その解決策についてもみていきましょう。

試験や受験の問題

先述のとおり、中学生・高校生の歯列矯正は、成人矯正と比べて短い治療期間で行うことができる傾向にあります。そうはいっても、平均的な治療期間としては2年~3年位となりますので、高校受験や大学受験と治療時期が重なることが考えられます。

また、「成人式までには歯列矯正を終わらせたい」と思う方も多いのではないでしょうか。そのためには早めに準備をして、しっかりと治療の予定を組むことが大切です。

おすすめとしては、中学生のうちに矯正相談などを受けて、どこの医院で矯正治療を受けるのか、どのような装置を用いていくのかなどを話し合い、高校受験が終わった時点で歯列矯正を開始するというスケジュールです。

矯正中、特に装置の調整をした直後は、違和感や痛みを感じることが多いですが、成人と比べると若いほうが適応能力も高いため、違和感の克服なども早い傾向にあります。

歯列矯正の治療にかかる時間に関しては、症例によって大きく異なります。そのため、余裕を持って矯正相談に臨むようにしましょう。

部活動などとの兼ね合い

例えば、運動部の場合は、競技によっては接触が激しい場合があります。接触はなくても、ボールが口元にぶつかることなどにより、矯正装置と口腔内の粘膜がぶつかり、怪我をする可能性があります。また、文化部でも、吹奏楽で矯正装置が邪魔になったり、発音がしにくかったりという弊害が考えられます。

このような場合は、主にワイヤー矯正時に生じやすいことなので、マウスピース矯正を選択することによって、部活動の間は装置を外しておくということができます。また、ワイヤー矯正の場合も、矯正装置の上から装着するマウスガードを作成するという方法もありますので、相談してみると良いでしょう。

見た目を気にする年頃

思春期では、自分の見た目や、自分がどう見られているか、他者からの評価も気になる時期です。だからこそ、歯並びも気になるところなのですが、いざ矯正を始めようとすると、今度は矯正装置の見た目が気になって断念してしまう、という方も少なくありません。

小学生の頃と比べると、矯正をしている同級生の数も少なくなるため、余計に気になりやすいようです。そのような場合は、目立ちにくい矯正装置を選択していくことで解決できます。

マウスピース型矯正装置がその代表格となりますが、他にも裏側(舌側)矯正や表側矯正でも、金属色でないものなども最近では増えてきています。

症例によっては使用できる装置が限られてくる場合もありますので、よく相談するようにしましょう。

本人のやる気次第

中学生・高校生ともなると、親に「やりなさい」と言われて従う年代ではなくなってきます。

本人が歯列矯正に積極的な場合は大きなメリットとなるのですが、本人のモチベーションがそれほど高くない場合、途中でやる気を失ってしまうことが考えられます。すると、マウスピース矯正では装置を指示通りに装着しない、調整日に来院しないといったことが多くなるなど、治療が途中でストップしてしまう可能性があります。

せっかく始めた歯列矯正が途中で無駄になってしまわないように、治療を開始する前に本人とよく話し合うことが大切です。

おすすめの矯正とその費用

では、おすすめの歯列矯正の装置と、その平均的な費用についてみていきましょう。

表側矯正(ワイヤ―矯正)

中学生・高校生の表側矯正(ワイヤ―矯正)

歯の表面にブラケットという装置を装着し、横向きにワイヤーを通して、ワイヤーの力で歯を動かしていく方法です。最も古くからある方法で、症例数なども多く、ほとんどの矯正歯科医院で行っています。適応症例が幅広く、スタンダードな矯正治療といえるでしょう。

しかし、装置に金属を用いる為に目立ちやすく、自分で着脱できないことが欠点として挙げられます。

最近では透明なブラケットやセラミック(白色)のブラケット、白色のワイヤーなども増えてきており、目立ちにくくなってきています。マウスピースなどの自己管理が苦手な方には、固定式のほうがおすすめです。

表側矯正:70万~120万円 審美ブラケット(透明、白色など)の場合はプラス515万円

ワイヤー矯正治療の流れを治療開始から保定完了まで解説

裏側矯正(舌側ワイヤー矯正)

歯の裏側にブラケットを装着するため、表からは歯列矯正をしていることが全く見えません。

表側よりも小さなブラケットを用いる必要があり、装着や調整に時間もかかるので、表側矯正よりも費用が1.5倍程度かかります。また、歯磨きが煩雑である、装置が舌に接触するのでしゃべりにくいなどの欠点があります。

矯正医の高い技術力を必要とするため、どこの医院でも行っているとは限りません。また、舌側矯正に向かない症例もありますので、担当医とよく相談する必要があります。

裏側矯正:100万~150万円

マウスピース矯正

中学生・高校生のマウスピース矯正

半透明のマウスピース型の矯正装置を120時間以上装着することによって、歯並びを矯正する方法です。審美性に優れており、装着している状態でも殆ど目立ちません。

自分で着脱できるため、部活や食事の際には外すことができます。ただし、自己管理が求められるので、一日の装着時間が短かったり、装着するのを忘れてしまったりすると装置が合わなくなってしまったり、効果が出にくくなってしまいます。

本人のモチベーションがとても大切で、飽きっぽい性格やすぐ忘れてしまう傾向にある方には不向きかもしれません。また、適応外の症例もあります。

どこの歯科医院でも取り扱っているわけではないため、事前に確認してから来院するとよいでしょう。

マウスピース矯正:80万~120万円

マウスピース矯正のメリットとデメリットは?ワイヤー矯正との違いを比較しながら解説

その他にかかる費用

矯正治療は自費診療になりますので、それぞれの医院によって値段もさまざまですが、料金システムもさまざまです。

先に挙げた矯正治療の治療費以外にも、必要な費用がいくつかあります。

  • 初診料、相談料:無料~1万円程度
  • 検査・診断料:2万~6万円程度
  • 調整料(来院時に毎回かかる費用):5000円前後
  • 保定装置代:4万~6万円

これらの費用が矯正費に含まれている場合と、含まれていない場合などがあるので、必ず確認するようにしましょう。

中学生・高校生はデンタルローンが組める?

基本的に、未成年者はローンを組むことができないので、親の名義でローンを組むことになります。また、歯科医院によってはメディカルローンもしくはデンタルローンの取り扱いを行っているところも最近では増えてきました。

歯列矯正などの自費診療の場合は、歯科医院での分割払いを行っているところも多いので、支払い方法についてもよく相談することが大切です。

デンタルローンで賢く矯正治療【審査・金利など】

【まとめ】中学生・高校生におすすめの歯列矯正は何?かかる費用や平均の相場も解説

中学生・高校生の歯列矯正について、紹介してきました。

この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。

  • 中学生・高校生の歯列矯正のメリット
    • 永久歯列期であり、顎骨の成長の予測がつきやすい
    • 歯が動きやすく、治療期間の短縮が見込める
    • 生活環境の変化が少ない
    • 自己管理が行いやすい
    • 自己肯定感の向上に繋がる
  • 中学生・高校生の歯列矯正のデメリット
    • 受験や部活動との兼ね合いを考慮する必要がある
    • 見た目を気にする年頃のため、装置を慎重に選ぶ必要がある
    • 本人のやる気が重要になってくる
  • 矯正の費用は70万~160万円と、症例や矯正装置によって大きく異なる
  • 検査料や装置代、調整料が別途発生する場合もあるので確認が必要
  • 中学生・高校生ではローンは組めない。親の名義でのデンタルローンや歯科医院での分割払いが主流

綺麗な歯並び・理想的な咬合は、将来的に大きな財産となります。

中学生・高校生ならではの苦労もあるかと思いますが、それを乗り越えた先には、また一歩成長した自分に出会えるはずです。

この時期に歯列矯正を行うことは、その後の人生において大きなプラスとなるでしょう。


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