「ブライダルホワイトニング」という言葉を聞いたことがありますか?
結婚式に備えて、歯の黄ばみを取り除き、歯を白くすることです。
結婚式では、ウエディングドレスや白無垢など白い服を着ますよね。写真を撮る機会も多く、歯の黄ばみが普段以上に目立ってしまいます。そのため、最近はブライダルホワイトニングをする花嫁さんが増えているのです。
本記事では、挙式までに歯を白くしたい花嫁のために、ブライダルホワイトニングについてご紹介いたします。
この記事を読むことで、ブライダルホワイトニングとは何かを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
- ホワイトニングとは何か、歯が白くなる仕組みとは?
- ホワイトニングの種類は?
- ブライダルホワイトニングを開始する時期はいつがおすすめ?
- ブライダルホワイトニングにかかる費用は?
- ホワイトニングまでの流れ
- ホワイトニングをする際の注意点
- ホワイトニング以外で歯を白くする方法は?
- ホワイトニングを長持ちさせる方法も知りたい
目次
ホワイトニングとは
ホワイトニングをするとなぜ歯が白くなるのか、使う薬剤は体に害がないのかなど、色々な疑問を解説していきます。
ホワイトニングで歯が白くなる仕組み
歯の着色は、汚れ(着色物質などの有機物)が歯の中に入り込むことによって起こります。そして、ホワイトニングの薬剤が分解してできたフリーラジカル(•OH)が歯の中に入り込んだ汚れを分解し、歯が白くなるのです。
ホワイトニングではどんな薬剤を使っているの?
使用する薬剤は、濃度の低い過酸化水素や過酸化尿素です。
低濃度の過酸化水素は飲み込んでも毒性は低いとされています。また、過酸化尿素は長年ホワイトニングに使用されている薬剤で、これまで重篤な副作用は報告されていません。
実はホワイトニングは歯の健康にもおすすめ
ホワイトニングの薬剤には、殺菌作用の効果もあります。歯のホワイトニングはもともと、歯周病菌を過酸化水素で除菌する治療法から生まれました。歯のホワイトニングをすることで、お口の中の虫歯や歯周病菌を取り除き、虫歯や歯周病になるのを防いでくれます。
また、歯の表面はペリクルという唾液に含まれるたんぱく質でできた膜で覆われています。ホワイトニングをすると一時的にペリクルが壊されます。その機会にフッ素やリン・カルシウムを歯の表面に塗ると効率よく歯に取り込まれ、再石灰化がよく進み、歯をより硬く丈夫にできるのです。
ホワイトニングの種類
ホワイトニングには、オフィスホワイトニング、ホームホワイトニング、デュアルホワイトニング、ウォーキングブリーチという4つの方法があります。
オフィスホワイトニング
歯科医院で行うホワイトニングです。
歯の表面に薬剤を乗せ、特殊な光を当てるという処置を2、3回繰り返して行います。1回の所要時間は2時間程度となり、1週間おきに3度の来院が目安となります。短期間で歯を白くしたい人におすすめです。
メリット
- 歯科医師や歯科衛生士が行うので安心
- 自分でしないので手間がかからない
- 少ない回数で効果を実感
- 個々の歯ごとに対応できる
デメリット
- 施術時間が長い
- その他のホワイトニングと比べると、高濃度の薬剤を使うので知覚過敏が起きる可能性がある
- ホワイトニング期間中は着色のしやすい物は控えるので食事制限がある
- 後戻りがあるため、歯の白さを持続したい場合は一定期間置きの施術が必要
ホームホワイトニング
自分で行うホワイトニングです。
歯型を採り、専用のトレーを作成して、トレーの中にホワイトニングジェルを入れて歯に装着します。最近では歯型を採らずに、既存のトレーを使ってできるものもあります。1日2時間×2週間の使用が目安です。ホワイトニングの効果が思うように出ない場合は、追加して行うこともあります。
メリット
- 歯に薬剤がゆっくり浸透し、ホワイトニング効果が長く持続する
- 施術時間が短く自分のタイミングで行える
- 薬剤の刺激が少ない
デメリット
- 自己管理次第で効果が左右される
- 濃度の低い薬剤を使用するので、効果を感じられるまでに時間がかかる
- 痛みが出てもすぐに対応できない
- ホワイトニング期間中は着色のしやすい物は控えるので食事制限がある
- 後戻りがあるため、歯の白さを持続したい場合は一定期間置きの施術が必要
デュアルホワイトニング
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせて行う方法です。
オフィスホワイトニングをしてから、24~48時間空けてホームホワイトニングをします。両方の効果を得られるため、効果が高く、白さも長持ちします。
ウォーキングブリーチ
神経の死んだ歯に対するホワイトニング方法です。
歯の中に薬剤を入れ、歯の色を白くします。約1週間ごとに来院し薬剤を交換する必要があります。3回ほど繰り返すと効果が現れます。またウォーキングブリーチをする前に、歯の根の治療をする必要があります。
ブライダルホワイトニングを開始する時期はいつがおすすめ?
余裕を持って、結婚式の3、4か月前には歯科医院を受診しましょう。
理由は、虫歯や歯茎の腫れがある場合はそれらの治療をしないとホワイトニングができないからです。
歯の変色の原因が歯の神経が死んでいる場合は、神経の治療をしてからウォーキングブリーチが適応になります。
自分では天然の歯だと思っていたが、実は被せ物の治療がされていて、しかも歯の根の先端に膿が溜まっていた場合、予想以上に治療が長引くこともあります。
このような場合も、必要な治療が終わってからやっとホワイトニングに取りかかれます。
オフィスホワイトニングは、結婚式の3週間~1か月くらい前、ホームホワイトニング、デュアルホワイトニングは1か月~3か月前に始めるのがおすすめです。
ブライダルホワイトニングの値段
ホワイトニングは健康保険が適用しないため、各歯科医院でかかる費用が異なります。
相場価格は、
- オフィスホワイトニングは1回3万円~5万円程度
- ホームホワイトニングは2万円~4万円程度
- デュアルホワイトニングは4万円~8万円程度
です。
追加でホワイトニングをしたい場合は、追加料金がかかることが多いです。
ホワイトニングの流れ
- 口腔内の診査
まずはお口の中を診査し、ホワイトニングができるか確認します。必要であればレントゲン撮影も行います。 - 治療、クリーニング
何かしらの問題があれば、虫歯や歯茎の炎症を取り除くための治療などが優先されます。また、クリーニングをしてステインを除去します。 - ホワイトニング
- メインテナンス
色の後戻りを遅らせるためには、歯科医院での定期的なクリーニングが大切です。
ホワイトニングが困難なケース
ホワイトニングが適用できない場合があります。
エナメル質や象牙質が形成不全の歯
歯にできた不透明な白い部分を、ホワイトスポットやバンディングといいます。エナメル質の結晶構造が不規則なためにできます。
この部分は他の部分と比べて、薬剤の浸透が強く、色の差をなくすことが難しいです。ただし、ホワイトニングを繰り返し行えば、白さの差を小さくすることはできます。
深い亀裂や虫歯のある歯
痛みが起きる可能性があり、事前の治療が必要です。
詰め物や被せ物には効果がない
歯の被せ物や詰め物は白くなりません。ホワイトニング後に色が合わなくなり、やり直しが必要になる場合があります。
金属による変色が起きている歯
ホワイトニングでは、金属などによる変色を白くすることはできません。
ホワイトニングを避けた方がよいケース
次のような場合は、ホワイトニングは行わず、他の治療法などを検討します。
無カタラーゼ症
過酸化水素を分解する酵素が、遺伝的に不足している病気です。
ホワイトニングを行うと、口の中がひどくただれ、場合によっては壊死してしまうことがあります。
妊娠中、授乳中の女性
胎児や母乳へのホワイトニング剤が及ぼす影響に関する研究は、まだ不十分で安全性は確立されていません。
気管支喘息などの呼吸器系疾患
主にオフィスホワイトニングで使用される過酸化水素は、分解時に刺激性のあるガスを発生させます。このガスが、むせや喘息症状を誘発します。ホームホワイトニングは、適用となります。
光線過敏症
オフィスホワイトニングでは、光を照射して薬剤を反応させます。この時使う光は紫外線に近いブルーライトです。光線過敏症の方は、オフィスホワイトニングは避けた方がよいでしょう。また、ホームホワイトニングが適用となります。
ホワイトニング以外で歯の色を白くする方法
どうしても時間がない場合、ホワイトニングではなく歯の色を短時間で白くする方法があります。
ホワイトコート(歯のマニキュア)
歯の表面に塗るもので、その日のうちに歯を白くすることができます。
歯を痛めず、知覚過敏も起きず、金属やレジン、セラミックにも使えます。1~3か月ほど持ちますが、咬み合わせや生活習慣による個人差があります。
クリーニング
歯面清掃(クリーニング)によって、歯の表面の着色をある程度除去することができます。人によっては、クリーニングだけで十分白くなることもあります。
セラミック治療
銀歯など、すでに金属などで治療してある歯を白くしたい場合、金属をセラミックに置き換える方法があります。
セラミックは天然の歯に似た白さを持ち、非常に硬い材料で歯の詰め物や被せ物に使われます。セラミックインレー(詰め物)、セラミッククラウン(被せ物)、ラミネートべニア(歯の表側に貼り付ける)などがあります。
ただし、セラミックのスペースを確保するために歯を削る必要があります。また、セラミック治療は健康保険が適応しないので治療費が高くなる傾向にあります。
ホワイトニングを長持ちさせるための方法
ホワイトニングの後戻りは、個人の食生活に大きく影響されます。
それでも、白さを保つために以下に挙げるような点を注意すれば、ケースによっては数年間白さを保つことが可能です。
定期的な歯科医院でのクリーニング
定期的に歯科医院(3か月~半年に1回)でクリーニングを受けると、歯の内部に着色物質が入り込む前に取り除くことができます。
食べ物や飲み物に注意する
最低でも、ホワイトニング後の3~4時間はペリクルが失われているため、着色しやすい飲食物や酸性の飲食物は避けるようにします。24時間避けるのが理想です。
その後も、飲食の後は水でうがいをするなどして、着色物質が歯の表面にとどまりにくくします。
セルフケア —着色除去効果のある歯みがき剤の使用—
自宅で使う歯みがき剤も、着色物質を取り除く効果があります。
歯科医院でのみ販売しているものも多いため、担当の歯科医師や歯科衛生士に聞いてみるとよいでしょう。
【まとめ】ブライダルホワイトニングとは?結婚式までに歯を白くする方法も紹介
この記事では、ホワイトニングの仕組みからブライダルホワイトニングを受ける時期、そしてホワイトニングの白さを保つ方法までをご紹介しました。
この記事を読むことで、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。
- ホワイトニングとは、過酸化水素や過酸化尿素という薬剤を使用して歯の内部に入り込んだ着色物質を分解すること
- ホワイトニングには、オフィスホワイトニング、ホームホワイトニング、デュアルホワイトニング、ウォーキングブリーチという4つの方法がある
- ブライダルホワイトニングをやる場合、3、4か月前には歯科医院を受診
- ホワイトニングの費用相場は2万円~10万円程度
- ホワイトニングをやるまでに、歯科医院でお口の中の診査やクリーニングが必要
- ホワイトニングには適応条件がある
- ホワイトニング以外にも、歯を白くする治療法がある
- ホワイトニングを長持ちさせるには普段の食生活、セルフケアや歯科医院での定期的なケアが大切
実は、歯を含む口元は顔の印象を大きく変えます。
歯が白くなると、歯を見せることに抵抗がなくなり、笑顔が増え気持ちも明るくなります。
はつらつとした素敵な笑顔で、結婚式を迎えましょう。