オフィスホワイトニングの効果と施術の頻度や間隔

オフィスホワイトニングの効果と施術の頻度や間隔

オフィスホワイトニングは、歯科医院で行うホワイトニングです。短時間でホワイトニング効果が得られるため、結婚式などのイベントを直近に控えている方などにおすすめのホワイトニング法です。

ここでは、オフィスホワイトニングの効果と頻度・間隔、オフィスホワイトニングの種類、オフィスホワイトニングのメリット・デメリットと注意点について解説します。

目次

オフィスホワイトニングの効果

オフィスホワイトニングの効果

オフィスホワイトニングとは、歯科医院で、歯科医師の管理のもとホワイトニングを行う方法です。デンタルオフィスで行うホワイトニングなので、オフィスホワイトニングと呼ばれます。

通常1回以上の歯科来院を必要とし、1回の処置時間は30分~1時間を要します。

高濃度の過酸化水素を用いるので、ホワイトニング剤から歯肉(歯茎)などを保護した後、ホワイトニング剤を歯面の塗布、光重合ライトなどを照射して、漂白します。

オフィスホワイトニングでは、マスキング説と薬剤浸透説の2つが考えられています。

マスキング説は、エナメル質表面に30〜35%過酸化水素を作用させた場合、過酸化水素はエナメル質の内部に浸透せず、表層数μmの有機成分を分解して表面の色調と屈折率を変化させ、内部の色調を目立たなくマスキングするという考えです。

一方、薬剤浸透説は、エナメル質表面で発生したフリーラジカルが、有機成分に富み石灰化度の低い部分を通して、エナメル質中に拡散・浸透し、象牙質まで達して漂白作用を発揮するという説です。

オフィスホワイトニングの頻度・間隔

オフィスホワイトニングの頻度・間隔

オフィスホワイトニングの頻度や間隔は、使用するオフィスホワイトニング製品の種類や患者さんの希望する白さなどによっても変わります。

一般的には、オフィスホワイトニングの回数は数回から5回程度です。通常は1週間に1回程度の間隔で行います。

結果を急ぐ場合、あるいは重篤な変色症例の場合には、知覚過敏の発生状況をみながら週2回程度の処置、あるいはホームホワイトニングとの併用(デュアルホワイトニング)も考慮することがあります。

オフィスホワイトニングの種類

日本で認可販売されているオフィスホワイトニング製品を、いくつか示します。

このほかにも、海外で実績のある海外製品や、「ポリリン酸ホワイトニング」といった新しい薬剤を使用している歯科医院もあります。

松風ハイライト

35%と高濃度の過酸化水素を主材としています。

これに硫酸マンガンなどの触媒粉末を配合させることで化学反応を起こし、光照射することで反応を促進して漂白させるものです。

30〜35%過酸化水素が歯肉・軟組織に接触すると、組織が白濁化して疼痛が生じます。約1時間後には疼痛が焼失し、約3時間後には白濁化も消失しますが、取り扱いには十分に注意が必要です。

ハイライトは、pHが3.9〜4.1なので、ホワイトニング直後は、症例により歯面がやや白濁することもありますが、これは唾液による再石灰化作用で1週間後には消失します。

ピレーネ

高濃度の過酸化水素によらないで、生活歯のホワイトニングを行うことができるホワイトニング剤です。

二酸化チタンが過酸化水素を効果的に分解することで、活性酸素やOHラジカルを発生させることに着目した、可視光作動型二酸化チタン光触媒と3.5%の低濃度過酸化水素からなるホワイトニング剤です。

ピレーネは、低濃度の過酸化水素にもかかわらず、ホワイトニング効果があることが特徴で、さらに生物学的安全性も高いと報告されています。

ティオンオフィス

光触媒窒素ドーブ型二酸化チタンと約23%の中濃度の過酸化水素からなるホワイトニング剤です。

本製品はpH調整剤を入れることで中性に近い組成を持っており、中濃度の過酸化水素を主材としてもエナメル質に影響を及ぼさず、優れた漂白効果を持つとされています。

オパールエッセンスBOOST

オパールエッセンスBOOSTは過酸化水素35%を含むオフィスホワイトニング剤です。日本国内では2018年5月に発売された、新しいオフィスホワイトニングシステムです。

オパールエッセンスBOOSTには、20%以上の水分量が含まれているため、歯の脱水を防ぎ、知覚過敏が発生しにくいとされています。

さらに、オフィスホワイトニング剤のうち酸性を示す製品では、塗布時間の経過とともにpHが低下するのに対し、BOOSTでは、塗布時間が経過してもほぼ中性領域(7.5〜7.7)であり、変化が認められなかったとされています。

この観点からも、BOOSTを用いたオフィスホワイトニングは、歯髄(歯の神経)およびエナメル質表面に対して安全性が高いといえます。

オフィスホワイトニングのメリット・デメリット

短時間でホワイトニング効果が得られ、かつ歯科医師の管理下で行うオフィスホワイトニングを推奨する歯科医院も増えていますが、デメリットもあります。

メリット・デメリットを理解したうえで、治療を行うことが大切です。

メリット

オフィスホワイトニングは速効性があり、1回の処置でも効果が実感しやすいです。また、漂白過程を歯科医師や歯科衛生士が直接監視できるので、正確なホワイトニングが可能です。

ホームホワイトニングのように、自分でホワイトニングを行わないため、患者さんの手間はかかりません。

歯科医院で処置を行うため、もしトラブルが起こったとしても、すぐに対処してもらえて安心です。

デメリット

通常、1回のオフィスホワイトニングでは十分な効果が得られない場合がほとんどで、複数回の歯科来院を必要とします。処置回数の増加に比例して費用も増すため、ホームホワイトニングと比べて費用が高くなることが多いです。

ホワイトニングは自費料金となり、料金設定は各歯科医院で異なります。

高濃度の過酸化水素を使用するため、人によっては知覚過敏発生の可能性があります。症例によっては、処置後数時間経ってから、1〜2時間継続する知覚過敏が生じることがあります。

オフィスホワイトニングは、ホームホワイトニングと比べて、短期間でホワイトニング効果を得られますが、後戻りも早い場合があります。

オフィスホワイトニングの注意点

安全に十分なホワイトニング効果を得るためには、以下の点も注意することが大切です。

術前診査・術前処置を受ける必要がある

ホワイトニングを行う前に、歯の変色の原因を調べ、診査・診断を行います。

ホワイトニング法の利点・欠点、さらにその他の治療法についての説明を受けたうえで、十分に納得してから行う必要があります。

その際、下記の禁忌に該当する場合は、オフィスホワイトニングが行えないことがあります。

絶対的禁忌

  • 無カタラーゼの患者
  • 過酸化水素や過酸化尿素にアレルギーを持つ患者

相対的禁忌

  • 妊婦
  • 授乳中の方

診断により禁忌と判断されるケース

  • 重篤なテトラサイクリン変色歯
  • エナメル質・象牙質形成不全症
  • 重篤な知覚過敏症

歯の確認を行い、歯の亀裂、詰め物の不備、歯頚部(歯と歯茎の境目)の歯根露出、知覚過敏などをチェックします。

不適合な詰め物や虫歯がある場合には、知覚過敏が出やすくなるなどの不快事項につながる可能性があり、事前の治療が必要です。

知覚過敏がある場合、その歯を避けること、特に歯根露出が認められるときは、その部位に直接ホワイトニング剤が接触しないような配慮が必要です。

また、詰め物や被せ物はホワイトニングでは白くなりません。そのため、大きな詰め物などがある場合、ホワイトニングにより詰め物と歯の色調の不調和が生ずる可能性があります。

歯石、プラーク、色素が歯面に付着していないかを確認します。汚れが残っている場合には、歯面清掃を行います。これは、歯の表面からホワイトニングを作用させるにあたって、生活歯(神経のある歯)のホワイトニング法では重要なステップです。

ホワイトニング後に摂取すべきではないもの

ホワイトニング直後の歯は、ペリクル(歯の表面に存在する被膜)が除去されているため、色素が吸着しやすく、脱灰されやすい状態になっています。

処置後24時間程度の間の着色飲食物と酸性飲料の制限、喫煙の制限、できれば禁煙を行う必要があります。

後戻り・ホワイトニング後のケア

満足する結果が得られたとしても、色調の後戻りが生じます。

その原因は、歯表面への外来性色素の沈着、エナメル質表面の光透過性の回復などです。

色調の後戻りを防ぐために、口腔清掃を徹底して歯の清潔を保ち、コーヒー、ウーロン茶、ワイン等着色食品の摂取を控えることが大切です。さらに定期的なリコールを受け、歯面の汚れやステインの除去、色調の確認を行うことが必要です。

【まとめ】オフィスホワイトニングの効果と施術の頻度や間隔

オフィスホワイトニングとは、歯科医院で、歯科医師の管理のもとホワイトニングを行う方法です。

短時間でホワイトニング効果が得られるため、オフィスホワイトニングを推奨する歯科医院も増えていますが、デメリットや注意点もあります。

ホワイトニングには、さまざまなものがあります。ライフスタイルや希望する歯の白さ、歯の状況によって使用する薬剤や方法が異なります。効果的に歯を白くし、白さをより長持ちさせるためにも、自分に合った方法を選択することが大切です。

ホームホワイトニングの効果とやり方の注意点


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