液体歯磨剤と洗口液(デンタルリンス)の効果と使い方【歯磨き粉との併用も解説】

液体歯磨きとデンタルリンス(洗口剤)の違い

現在、市販されているオーラルケア剤は、ブラッシングを併用する歯磨剤と併用しない洗口液(デンタルリンス)に大別されます。

そこから歯磨剤は、さらにペースト歯磨剤と液体歯磨剤に分けられます。

オーラルケア剤はこのようにいろいろなタイプがありますが、特にわかりにくいのが液体歯磨剤と洗口液(デンタルリンス)の違いでしょう。

そこで今回は、液体歯磨剤と洗口液(デンタルリンス)の違いから、効果的な使用方法までわかりやすくご説明します。

目次

液体歯磨剤について

液体歯磨剤について

歯磨剤は、前述したように剤型によってペースト歯磨剤と液体歯磨剤に大別されます。

ペースト歯磨剤と液体歯磨きの違い

液体歯磨剤は、歯磨剤が液体商品化されたものです。

ペースト歯磨剤と液体歯磨剤の違いは、剤型の違いだけではありません。

成分で比べてみると、一部の例外はありますが、一般的にペースト歯磨剤には清掃剤や発泡剤、湿潤剤、粘結剤、香味剤、保存料などが配合されています。

一方、液体歯磨剤には清掃剤や粘結剤は配合されておらず、発泡剤はペースト歯磨剤と比べてごく少量含まれているにとどまっています。

なお、清掃剤とは研磨剤のことです。

ペースト歯磨剤と液体歯磨剤の効果の違い

ペースト歯磨剤も液体歯磨剤もブラッシング前に使いますが、清掃剤や発泡剤の有無により効果に違いがあります。

液体歯磨剤には清掃剤が配合されていないため、歯面に付着したステインの除去効果はペースト歯磨剤に劣ります。

逆に清掃剤を配合していないため、液体歯磨剤は健全資質を損傷するリスクがありません。特に、歯肉退縮によって歯根が露出した場合、歯根の表面を被覆しているセメント質は脆弱なため、清掃剤が配合している歯磨剤ですと容易に磨耗してしまいます。

また、発泡剤をほとんど配合していないため、ブラッシングに伴って泡立つことがありません。

泡立ちは、ブラッシング中の爽快感をもたらしますが、きちんと磨けていなくても磨けた気にしてしまうこともあります。また、泡立ちのため、ブラッシング時間も短くなってしまうこともあります。

液体歯磨剤なら、こうした発泡剤のデメリットもありません。

洗口液(デンタルリンス)について

洗口液(デンタルリンス)について

洗口液(デンタルリンス)とはどのようなオーラルケア製品なのでしょうか。

洗口液(デンタルリンス)とは

洗口液(デンタルリンス)も液体歯磨剤と同じく液体剤型のマウスケア製品ですが、歯ブラシによるブラッシングを必要としないところが異なります。

基本成分については、湿潤剤や発泡剤、香味剤、保存料で構成されており、清掃剤や粘結剤は含まれていません。

洗口液(デンタルリンス)の効果

洗口液は、適量を口に含んですすぐことで、歯にプラークが付着しにくくしたり、口臭を防止したりする効果が得られます。

液体歯磨剤と洗口液(デンタルリンス)の違いとは

ともに液体剤型を呈しているマウスケア製品ですが、両者はブラッシングを行う必要があるのかないのかという点で全く異なります。

見分け方

液体剤型ですが、液体歯磨剤か洗口液(デンタルリンス)か製品に明記してありますので、製品を見れば区別できます。

使用するタイミングの違い

液体歯磨剤は、歯磨剤の一種なのでブラッシングの前に使います。

一方、洗口液(デンタルリンス)はブラッシングの後に使います。

効果の違い

洗口液(デンタルリンス)は、口臭の防止や口腔内の洗浄などに効果があります。

一方、液体歯磨剤は、ブラッシングを併用するので、口臭を防止するだけでなく齲蝕症や歯周病の予防にも効果的です。

液体歯磨剤と洗口液(デンタルリンス)の使い方

液体歯磨剤と洗口剤(デンタルリンス)の使い方は、全く異なります。

液体歯磨剤の使い方

液体歯磨剤はブラッシングの前に使います。

  1. ブラッシングの前に、適量を口に含みます。
  2. 30秒程度、口腔内でブクブクとすすいでから、吐き出します。
  3. 歯ブラシには何もつけないでブラッシングを行います。

洗口液(デンタルリンス)の使い方

洗口液(デンタルリンス)はブラッシングの後に使います。

  1. 適量を口に含みます。
  2. 30秒程度、口腔内ですすぎ、吐き出します。

歯磨剤と洗口液のおすすめの使い方

歯磨剤と洗口液(デンタルリンス)のおすすめの使用方法をご紹介します。

起床時

睡眠中は、唾液の分泌量が減少するため口腔内細菌数が増大します。

そこで、起きがけはまず洗口液を使用して、口腔内細菌を洗浄しましょう。

ステインが気になったら

液体歯磨剤には清掃剤が配合されていません。

歯のステインが気になるなら、液体歯磨剤よりペースト歯磨剤がおすすめです。

象牙質知覚過敏症もあるけれどステインも気になる

例えば、象牙質知覚過敏症は、象牙質の露出に伴って生じる病気ですので、歯が更に磨耗したり、歯肉退縮を起こしたりしないようにする必要があります。

このようにブラッシングによる歯質の更なる磨耗を避けたい場合は、液体歯磨剤や清掃剤を含んでいないペースト歯磨剤でのブラッシングが適しています。

しかし、歯のステインは、液体歯磨剤では除去するのは困難です。

そこで歯のステインが気になる方は、ペースト歯磨剤と液体歯磨剤の併用がおすすめです。

例えば、週に2〜3日はペースト歯磨剤、その他の日は液体歯磨剤という組み合わせです。

こうすればペースト歯磨剤による健全歯質の磨耗を防ぎつつ、ステインにも対応できます。

睡眠直前

睡眠中は、唾液の分泌量の低下に伴って、口腔内の自浄作用や抗菌作用が低下します。

睡眠直前には液体歯磨剤でブラッシングし、洗口液(デンタルリンス)ですすぐことで、あらかじめ口腔内の細菌数を減らしておくことをおすすめします。

液体歯磨剤と洗口液(デンタルリンス)の使用上のポイント

液体歯磨剤と洗口液(デンタルリンス)を効果的に使うためのポイントをご説明します。

洗口液だけに頼らない

洗口液(デンタルリンス)でうがいをしただけでは、プラークコントロールは図れません。

洗口液(デンタルリンス)だけでオーラルケアをするのではなく、液体歯磨剤と併用することが大切です。

使用後のうがいはしないほうがいい

水ですすぐと有効成分が洗い流されてしまいますので、液体歯磨剤も洗口液(デンタルリンス)も使用後は、水ですすぐ必要はありません。

お口全体に広げる

液体歯磨剤も洗口液(デンタルリンス)も効果を高めるために、口に含んだら口腔内全体に行き渡らせるようにすることが大切です。

味の好みに合わせる

液体歯磨剤や洗口液(デンタルリンス)には、清涼感を得たり、清浄効果を高めるためにエタノールやペパーミントオイルなどの香料が配合されています。

液体歯磨剤や洗口液(デンタルリンス)を使ったときに感じる刺激は、これら香料によるものです。

そのほかにも、フレーバーが配合されている製品もあります。

刺激の強さや味など、好みに合った製品を使うことが長く続けるためのポイントになります。

子どもも使えるのか

洗口後の吐き出しができる子どもなら、液体歯磨剤、洗口液(デンタルリンス)ともに使用していただいて問題ありません。

ただし、エタノールを含む製品は、飲み込みに注意が必要なので、子どもにはノンアルコールタイプをおすすめします。

【まとめ】液体歯磨剤と洗口液(デンタルリンス)の効果と使い方【歯磨き粉との併用も解説】

今回は、液体歯磨剤と洗口液(デンタルリンス)の効果とおすすめの使用法などについてご説明しました。

ともに液体剤型ですが、液体歯磨剤はブラッシングを併用する、洗口液(デンタルリンス)はそうでないところに違いがあります。

効果的なオーラルケアをするためには、両者の違いを理解して、上手に組み合わせることが大切です。

なお、液体歯磨剤は清掃剤を含んでいないので、ステインは除去できませんので、ステインが気になるならペースト歯磨剤と併用するのが効果的です。


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