口臭ケアと対策

口臭ケアと対策

誰しも、自分の吐く息の臭いが気になった経験があるのではないでしょうか。世の中に、臭いが全く検出されない無臭の人は存在しません。生きている限り、誰にでも多少の臭いは認められます。
しかし、自分の臭いを客観的に確認することはとても難しく、「自分には人を不快にする強い口臭があるのでは」と不安に思う人も多いのではないでしょうか。そして、日頃から口臭ケアを行いたいが、具体的に何をすればいいか分からないという人も多いと思います。
実は口臭には一時的なものから病気が原因で治療が必要なものまで、いくつかの種類が存在します。正しく対処するためには、まず自分の口臭がどのタイプに当てはまるのかを知ることが重要です。

この記事では、生理的口臭・病的口臭・心因性口臭という3つの種類に応じた口臭ケアと対策を詳しく解説します。
この記事を読むことで、それぞれの口臭が発生するメカニズムや具体的な改善方法を理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。

こんな疑問が解決

  • 朝起きた時の口のネバつきや臭いを抑える方法
  • 丁寧に歯を磨いているのに口臭が改善しないのはなぜ?
  • 歯周病や虫歯が口臭にどう影響しているのか知りたい
  • 口腔内以外(内臓など)に原因がある場合の対処法
  • 口臭がないと言われても不安を感じる時はどうすればいい?

生理的口臭のケアと対策

朝起きたとき、口がネバネバして不快に感じた経験は誰にでもあるのではないでしょうか。通常、1日の中で口臭が最も高いのは起床直後です。夜の睡眠時に唾液分泌が減少し、細菌が増殖して口腔内が不潔になってしまうことが理由です。
このような生理的口臭は誰にでも認められます。起床時、空腹時、疲労時、緊張時も口臭は一時的に高くなりますが、口腔清掃や食事を摂取すると口臭は自然に低下するので、このような生理的口臭に対してはそれほど神経質になる必要はありません。
生理的口臭の多くは舌苔が原因なので、舌をきれいに清掃することで口臭は改善します。歯科医院で舌清掃を含めた口腔清掃指導を受けて、自分で歯や舌をきれいに清掃できるようにサポートを受けましょう(セルフケア支援)。
このようなセルフケア支援は、定期的に受けることが望ましいです。また、すべての口臭症の患者さんにおいて、セルフケア支援を受けることは基本的事項となります。

口臭予防とチェック方法

病的口臭のケアと対策

疾患が原因で発生する病的口臭の場合には、診断後に速やかに治療を開始することが必要です。

口臭の種類と原因

口腔由来の病的口臭

口臭の80%以上は歯周病、多量の舌苔付着、唾液分泌の減少、進行した虫歯、義歯の不潔、口腔癌などの口腔内に原因があります。したがって、口臭が気になったら、まずは歯科医院を受診することが推奨されます。
口臭原因菌の大部分は歯周病の原因菌でもあることから、歯周病患者の多くに口臭が確認されます。歯周病が原因となっている場合には、歯周病の治療を受けることが必要となります。歯周病が軽度の場合は、口臭のもとにもなっている歯垢や歯石の除去や歯周ポケット内の洗浄を行います(スケーリング・ルートプレーニング、PMTC)。重度の場合には、外科的な歯肉の手術を行うことや抜歯を行うこともあります。
唾液分泌量が低下して口腔乾燥がみられる場合には、専門家による徹底した口腔清掃(PMTCなどのプロフェッショナルケア)とともに、舌体操、唾液腺マッサージなどを実施し、唾液分泌が増加するようにします。
劣化して穴が開いたり隙間ができたりしている不良補綴物(被せ物や詰め物)が口腔内にあるとプラークコントロールが困難となり、口臭だけでなく虫歯や歯周病のリスクが高まります。そのため、不良補綴物の除去、修正、再製作が必要となります。
また、口臭の発生原因を一つに特定できない症例も数多く認められます。たとえば、歯垢や舌苔がついて口腔内が非常に不潔な人は、歯肉に出血や炎症が生じ、歯周病に罹患している場合がほとんどです。また、その人が高血圧で降圧薬を服用していると、薬の副作用で唾液の分泌量が減って、口腔乾燥症を生じている可能性もあります。この症例では、口腔内の清掃不良、歯周病、口腔乾燥症の3つの要因が関与して口臭を発生させているため、それぞれに対する治療が必要となります。

全身由来の病的口臭

歯科以外の疾患としては、耳鼻咽喉科系(副鼻腔炎、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、咽頭がんなど)、呼吸器系(化膿性気管支炎、肺膿瘍、肺がん、肺のカンジダ症など)、消化器系(食道狭窄、食道がん、胃がん、逆流性食道炎など)、その他の疾患(糖尿病、腎不全、尿毒症、肝硬変、慢性肝炎、トリメチルアミン尿症など)が口臭の原因として挙げられます。
このような場合、医科での治療が必要ですが、口腔清掃状態が不良であったり、歯周病に罹患していたり、口腔由来の口臭が同時に認められる人も多いため、歯科との連携治療が必要となることもあります。

心因性の口臭のケアと対策

口腔内は非常に清潔で虫歯や歯周病などの口腔疾患もなく身体の健康状態も良好で、口臭を測定しても不快な口臭はほとんど認められないのに、「自分には口臭がある」と強く確信している場合があります。
周囲の人から口臭の有無を言葉で指摘されなくても、相手の態度、様子などを見て、自分に口臭があると感じる人もいます。会話中に無意識に鼻に手をあてたり、口を抑えたりする癖はよく見られますが、相手の口臭が気になって行っているとは限りません。しかし、口臭の不安のために、対人恐怖や社会不適合を生じて、家に閉じこもったり、人と会話ができなくなったり、行動が消極的になり、普通の社会生活が送れない症例もあります。
誰にでも体調や時間帯により、ある程度は口臭が認められるので、極端に心配する必要はありません。このような場合は、診察・相談を行い、その中で口臭に関する基本的知識を伝えていくことが大切です。
歯科での治療では、訴えの改善が期待できない場合は精神科、心療内科などへの紹介が必要となるケースもあります。

【まとめ】口臭ケアと対策

口臭の種類別の原因と、それに対する適切なケアと対策について詳しく解説しました。
この記事では、下記のようなことが理解できたのではないでしょうか。

この記事のおさらい

  • 起床時や緊張時の「生理的口臭」は、舌清掃などのセルフケアで改善できる
  • 口臭の約8割は「口腔内のトラブル(歯周病や虫歯など)」が原因
  • 唾液の分泌を促すマッサージや不適合な被せ物のやり直しも有効な対策になる
  • 鼻や喉、消化器系などの「全身疾患」が原因で口臭が発生することもある
  • 検査で異常がない「心因性口臭」には、専門的なカウンセリングが必要な場合がある

一口に「口臭」と言っても、唾液の減少による生理的なものから、歯科治療や医科での診療が必要な病的要因まで、そのアプローチは多岐にわたります。
「口臭があるかもしれない」という不安を抱えたまま過ごすのは、大きなストレスになります。まずは日々の丁寧なブラッシングと舌の清掃を心がけ、それでも改善が見られない場合は早めに歯科医院を受診し、お口の状態を正しく診断してもらうことが、悩み解消への第一歩となります。
清潔なお口を保つことは、自分自身の自信にもつながり、円滑なコミュニケーションを支えてくれるはずです。


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