インビザライン矯正で後悔?失敗する原因・予防・対処法も解説

インビザライン矯正で後悔?失敗する原因・予防・対処法も解説

インビザラインなどのマウスピース矯正を検索すると、きれいになっているケースを目にする一方、失敗したという口コミなどを目にすることもあります。

せっかくやるなら失敗や後悔はしたくないものですが、どうすればよいのでしょうか?

このコラムでは、インビザラインでの失敗や後悔の例、その原因と対策についてお伝えしたいと思います。

目次

インビザラインでの失敗や後悔

インビザラインなどのマウスピース矯正で、よく目にする失敗や後悔というものがあります。

予定通りでは終われなかった

たとえば、「当初のクリンチェックでは30枚のアライナーで終了できる予定だったが、予定の枚数では足りず、追加アライナーを作成し、そのための追加費用が必要になった」というケース、見込み治療期間は9か月だったけど、実際には1年半かかったケースなどがあります。

クリンチェック(術前シミュレーション)は、これまでに行われてきた膨大な治療データや理論などを総合して行われますが、アライナーを適切に使用していても、骨の硬さや歯根の形状など患者にも術者にもどうしようもない要素が原因で、クリンチェック通りには歯が動かないこともあります。

いわゆるワイヤー矯正でもこのようなことはあり、結果を100%予想しきることは不可能なものですが、予算超過となってしまう場合にはモヤモヤが残ることもあるようです。

予想通りにならなかった

治療は終了したものの、クリンチェックで予想した仕上がりにはならなかったケースです。

あくまでもコンピューター上でのシミュレーションであるクリンチェックとは、必ずしも全く同じにはならないものですが、それでも示された予想とのズレが大きいと失敗したと思うことでしょう。

また、クリンチェックでは歯の動きは出せますが、口元の感じや顔の変化までは予測できません。歯並びが改善した後、顔のイメージと実際にズレがあることも考えられます。

歯は並んだが出っ歯になった

歯列の拡大を伴うケースや、非抜歯での治療計画を立てたケースで、このような結果になることがあります。

すべての歯のサイズの合計と顎のサイズにズレがある場合(アーチレングスディスクレパンシー)、抜歯をせずに歯を並べきるためには歯を外側(頬側や唇側)に振って並べることになります。

その結果、歯並びはきれいになったけれども口元が突き出た感じになった、出っ歯になったということが起こり得ます。

咬み合わせがおかしくなった

インビザラインを含むマウスピース矯正全般の特性として、アライナーを装着するとどうしても臼歯部(奥歯)が強く咬むようになります。

そのため、治療の過程で臼歯部の歯が沈み込んで(矯正の用語で圧下といいます)しまって、アライナーを外したときに臼歯部の咬みあわせが甘くなってしまうケースがあります。

また、抜歯を伴い前歯を後ろに下げるケースでは、ボウイングエフェクトと呼ばれる現象が起こり、臼歯部がまとめてたわむように圧下してしまうことがあります。

こうなると臼歯部が全く咬み合わなくなり、これをアライナーだけでリカバリーするのは極めて困難となります。

このようなことが起きていても、それを認識できていなかったり、自力でリカバリーできずトラブルになるケースもあります。

インビザライン矯正を失敗する原因

それでは、このような失敗はなぜ起こってしまうのでしょうか?

このような後悔は何が原因となったのでしょうか?

アライナーの使用が適切ではなかった

インビザラインをはじめとするマウスピース矯正全般にいえることですが、アライナーを適正に使用できていないと設計通りの矯正力をかけることができず、失敗の原因となります。

適正でない使用法の例として、アライナーを軽くフィットさせた後は咬んではめ込んでいた、外すときに縁がまくれるような外し方をしていた、アタッチメントが外れたまま使用していた、洗浄に熱湯やお湯を使用していたなどがあります。

治療計画に無理があった

本来であればワイヤー矯正(マルチブラケット法)が適するケースであっても、さまざまな理由によりマウスピース矯正を選択した場合、クリンチェック上では可能になってはいるものの困難が予想されるケースであった場合、骨格性の不正咬合のため本来は顎矯正が必要であったが、マウスピース矯正を選択した場合などがあります。

以前に比べれば、治療データの蓄積によりクリンチェックの精度も向上しているようですが、口腔内スキャナーでは歯冠形態しか情報が得られないため、クリンチェック時に顎骨や歯根形態が考慮されないなどの根本的な問題点は依然あり、術者の判断が重要になっています。

術者の技量不足

矯正専門医ではこういったことは起こりにくいですが、非専門医が手がける場合、深刻な問題になり得ます。

インビザラインをはじめとするマウスピース矯正では、前述の臼歯の圧下やボウイングエフェクトへの抵抗困難のような固有の問題があります。これらへのリカバリーにはワイヤー矯正が必要になることが殆どですが、それらの能力を持たない術者では対応することすらできないこともあります。

また、クリンチェックで得られた結果が本当に実現可能か、修正が必要かの判断にも矯正の知識や技術が求められます。

インビザライン矯正で失敗しないための予防と対応

インビザラインで失敗や後悔をしないためにどうすればよいでしょうか?

アライナーを正しく使用するために

アライナーの適正な使用ができていることは、失敗しないための必須条件となります。

アライナーの着脱や保管、洗浄方法について、歯科医院で受けた指導をしっかり守るようにしましょう。特に装着時間は重要です。

また、アライナーのはまり方に違和感を覚えたり、アタッチメントが欠けたり、取れたりした可能性があるときは、早めに歯科医院を受診するようにしましょう。

歯列矯正全般に対応できる歯科医師のもとでの治療

インビザラインをはじめとするマウスピース矯正は、本来は従来のワイヤー矯正同様に矯正の専門的な知識や技術を必要とします。

お手軽な矯正という扱いで治療を提供されていることもありますが、予測される問題への対策や想定外の事態への対応や柔軟な治療計画の変更など、求められるものはワイヤー矯正と変わりません。

歯列矯正は歯科医師なら誰でもできるものではないため、インビザラインでも歯列矯正全般に対応できる歯科医師による治療をおすすめします。

定期的なクリーニングとチェック

インビザラインでの治療中に虫歯ができてしまいアライナーの作り直しが必要になったり、知らないうちにアタッチメントが取れてしまっていたり、歯石がついてアライナーのフィットが悪くなっていたりといったことがないようにするために、定期的なクリーニングと口腔内のチェックをおすすめします。

【まとめ】インビザライン矯正で後悔?失敗する原因・予防・対処法も解説

インビザラインは目立たないなどの固有のメリットがありますが、臼歯が圧下しやすいなどの固有の特性もあります。

失敗や後悔をしないために、従来からの歯列矯正にも対応できる歯科医師のもとで、よく相談して治療をしましょう。


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