インビザラインはリリースされてから現在まで改良が加えられており、前歯部向けや小児向けなどのパッケージが加えられています。
そして、インビザラインのラインナップの中には、ライトパッケージ版といえるインビザライン・ライトというものがあります。
このインビザライン・ライトとは、どのようなパッケージなのでしょうか?
この記事では、インビザライン・ライトとインビザライン・コンプリヘンシブやインビザラインGoとの違いについて解説します。
この記事を読むことで、インビザライン・ライトの適応症例、治療期間、費用、追加アライナーなどのインビザライン・コンプリヘンシブとの違いを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問が解決
- インビザライン・ライトはどういうプランなの?
- これまでのインビザラインと何が違うの?
- インビザラインシリーズの中で何を選べばいい?
目次
インビザライン・ライトとは
インビザライン・ライトは、インビザラインシリーズの中でもあまり大きな移動を行わない症例向けのパッケージです。短期間で終了できる症例向けのパッケージともいえます。
インビザライン・コンプリヘンシブやインビザラインGoとの違い
インビザライン・ライトは、インビザライン・コンプリヘンシブやインビザラインGoと何が違うのでしょうか。
比較しながらみていきましょう。
適応範囲
インビザライン・ライトは、インビザライン・コンプリヘンシブと同様にすべての歯を対象に矯正を行えます。
インビザライン・Goは前歯部のみに矯正範囲が限定されていますが、インビザライン・ライトでは、コンプリヘンシブと同じように臼歯部も動かすことができます。
また、インビザライン・ライトでは、次に比較するアライナー数の関係で重度の歯列不正に対応することは難しく、主に軽度の歯列不正が適応範囲となります。
アライナー数
インビザライン・ライトとコンプリヘンシブとの最大の違いは、アライナー数です。
インビザライン・ライトでは、アライナー数が最大14枚と決まっています。そのため、その中で完結できる症例に治療が制限されます。
一方、インビザライン・コンプリヘンシブにはアライナー数の制限はありません。多くの枚数を必要とするような症例には、インビザライン・コンプリヘンシブを選択することになります。
ちなみにインビザラインGoは、アライナー数が最大20枚となっています。
追加アライナーについても、インビザライン・ライトでは最大2回(インビザライン・コンプリヘンシブは無制限)までとなっており、それ以降は追加料金がかかります。
追加アライナーの発注も3年以内(インビザライン・コンプリヘンシブは5年以内)と制限が加えられています。また、あくまで短期間での治療終了を前提とするため、再度のクリンチェックもインビザライン・ライトでは行えない設定となっています。
治療費
インビザライン・ライトは、歯の移動に関してはインビザライン・コンプリヘンシブと同じことができるものの、アライナー数が最大14枚と決まっているため、そのぶん費用がインビザライン・コンプリヘンシブよりも安く設定されます。
インビザラインによる矯正は自由診療のため、治療費は歯科医院ごとに異なりますが、インビザライン・コンプリヘンシブの費用が80〜100万円台で設定されることが多い一方、インビザライン・ライトは50万円程度に設定されることが多いようです。
インビザラインGoは、40~50万円程度の設定を多く見かけます。
各種パッケージにより、価格面での差別化が図られているようです。
インビザライン・ライトが向く症例
インビザライン・ライトがインビザライン・コンプリヘンシブやインビザラインGoと比較して、向いているケースにはどのようなものがあるでしょうか?
後戻りの再矯正
ひとつめには、矯正後の後戻りに対する再矯正です。
動的治療が終了した後、リテーナーの使用不備や習癖、親知らず、捻転歯の復原作用などさまざまな原因で、せっかく並べた歯列が再び乱れてしまうことがあります。
このことを後戻りと呼びます。
後戻りへの再矯正は、元々矯正されて歯列全体は整っているため、初回の動的治療よりもやることは少なく、期間も短い傾向にあります。そのため、10枚程度の少ないアライナー数で完了できる場合、アライナー数が無制限となるインビザライン・コンプリヘンシブでは、コストパフォーマンスが悪いことがあります。このような場合は、インビザライン・ライトが非常にお手頃な選択肢となります。
前歯部などの部分矯正
前歯をどうにかしたいという状況で、臼歯部は大きな問題がない場合、インビザライン・ライトかインビザラインGoを選ぶことができます。
動かすべき歯が前歯部に限定されている状況であれば、前歯部に特化したインビザラインGoを利用できますが、前歯部だけを動かせれば済むという状況はあまりなく、臼歯も少し動かして全体を少し動かした方が、より前歯がきれいに並ぶということは珍しくありません。
このような場合、少ないアライナー数で完結できるのであればインビザライン・ライトは、仕上がりとコストパフォーマンスに優れたパッケージとなります。
また、少しはみ出している小臼歯など、この歯をなんとかしたいという限定的な矯正でもインビザライン・ライトを適応できることがあります。
ただし、歯列全体に大きな問題がなく、少ないアライナー数で完結できることが条件となるため、どんな場合でもできるわけではありません。
【まとめ】インビザライン・ライトとは?他のパッケージとの違いも解説
インビザライン・ライトとコンプリヘンシブ、インビザライン・Goプランの違いについて解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。
この記事のおさらい
- インビザライン・ライトは適応範囲やアライナー数が限られる
- インビザライン・ライトが適応可能であれば、インビザライン・コンプリヘンシブより費用を抑えて矯正ができる
- 自分に適したパッケージを選ぶことが大事
インビザライン・ライトは、インビザラインの全ての能力を活用できるものの、アライナー数や追加アライナー回数の制限があるパッケージといえるものです。適応可能な場合はインビザライン・コンプリヘンシブと比べてコストパフォーマンスの良いパッケージといえるとなりますが、慎重な診査、診断が欠かせません。
インビザライン矯正において、どのパッケージが適しているかは担当歯科医師とよくご相談ください。