セラミック治療は何歳からできる?子どもに最適な差し歯や詰め物は?

セラミック治療は何歳からできる?子どもに最適な差し歯や詰め物は?

セラミック治療は現在の歯科治療では欠かせない治療法ですが、何歳から行ってもいいものなのでしょうか?

治療をしてから何年かしたら合わなくなってしまうということはないのでしょうか?

オールセラミッククラウンやセラミック矯正などを行う歯科医院をよく見かけますが、適応年齢に関することはなかなか情報が得づらい面があります。

この記事では、セラミック治療と年齢についてと子どもに使える治療法を解説します。

この記事を読むことで、セラミック治療と年齢との関係や年齢に応じた治療を理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。

  • セラミック治療は何歳からできる?
  • 中高生でのセラミック治療の可否
  • 子どもに適した治療法は?

目次

セラミック治療の適応年齢

結論を述べると、セラミック治療の適応年齢は定められていません。理論上は、何歳でもセラミック治療を行っても良いことになります。

しかし、現実には20代以降が望ましいとされることもあります。

どういうことでしょうか?

セラミック治療と一言で表現しても、どのセラミック系材料を用いるかで内容は大きく変わります。

メタルボンド(PFM)やポーセレンジルコニア(PFZ)と呼ばれる、内部フレームにポーセレン(陶材)を盛って焼き上げた、従来型とも言えるセラミック補綴は、歯の切削量が非常に多くなるため若年者には不向きとされています。

一方、ジルコニアはここ数年でも進歩を遂げ、高い強度と審美性を兼ね備えたことにより、銀歯(金銀パラジウム合金)と同等の切削量で十分な性能を発揮でき、適応範囲を広げています。

人間の歯肉は、歯が生えた直後から位置や形が自然に(生理的に)安定した位置まで変化することが知られています。そのため、まだ歯が生えてから時間が経っていない10代で補綴治療を行うと、将来的にクラウンと歯との境界が露出してしまうことが指摘されてきました。

生理的に境界が露出した場合の対応法は新しいクラウンの作製であるため、メタルボンドやポーセレンジルコニアといった切削量の多いセラミック治療が先に行われているとその後の治療に影響が出てきます。

そのため、セラミック治療に適応年齢はないものの、年齢と使用する材料は十分検討する必要があります。

10代~20代前半のセラミック治療

10代(中学生くらい)~20代前半までの年齢でセラミック治療を希望する場合、どのようにすればよいのでしょうか?

ひとつの方法として、フルジルコニアクラウンを選択することが挙げられます。

現在主流となっている4Yジルコニアのフルジルコニアクラウンは、e.maxに代表されるガラスセラミックの3倍ほどの強度を持ち、ステイニング(着色処理)をすることで自然な色調表現が可能です。

歯の切削量を抑えつつ、十分な強度と自然な美しさが実現できるだけでなく、将来の再治療にも耐えられるだけの歯質を維持できます。

セラミック治療以外の選択肢は?

将来へ向けてできるだけ歯を削らずに済む方法として、レジン充填(保険診療)やダイレクトボンディング(自費診療)を選択するという方法もあります。

どちらもコンポジットレジンを使用する点では同じですが、ダイレクトボンディングでは保険診療での使用が認められていない、より色調表現に優れたレジンを使用できます。これらの治療法は歯の切削量を最小限に抑えることができるため、将来セラミック治療を行う時まで自分の歯を温存できます。

しかし、強度や色調表現はどうしてもセラミックには劣ることや時間経過による変色や着色、必ずしもどんな場合にも使えるわけではないという欠点もあります。

子どもに適した治療法

基本的には、セラミック治療は永久歯を対象としたものになるため、子どもといっても年齢に幅があります。そのため、ここでは小学生くらいを想定してご説明いたします。

既成乳歯冠

虫歯があまりにも大きく、クラウンによる治療が必要とされるときに使われることがあります。

形を整えた乳歯にステンレス製の既製のクラウンを合わせて装着します。小児歯科専門医など、一部の歯科医院でしか行われていないことがあります。

銀合金

大人の銀歯と同じように作られるものです。

大人では金銀パラジウム合金を使用するのが主流ですが、乳歯の咬み合わせには硬すぎるので比較的柔らかい銀合金を使用します。

子供でも、永久歯の修復では大人と同じように金銀パラジウム合金を使用します。

コンポジットレジン

修復範囲がある程度までの大きさである場合、年齢を問わず現在主流の治療法です。

光で硬化するレジン(プラスチック)を用いて歯の形と機能を回復させます。

グラスアイオノマーセメント

メインで使用されることは少ないですが、唾液が多い場合など、コンポジットレジンが適さないときに使用されます。

硬化すると象牙質と同等の硬さになり、フッ素を持続的に放出するという他の材料にはない特徴があります。

【まとめ】セラミック治療は何歳からできる?子どもに最適な差し歯や詰め物は?

セラミック治療に年齢制限はありませんが、歯肉の安定や長期的な予後を考慮すると、少なくとも20歳以降を目安としたほうが良いでしょう。

この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。

  • セラミック治療に年齢制限はないが、乳歯や10代のうちは他の治療法も選択に検討する
  • セラミックの種類によって将来の再治療の際の難易度が変わる
  • ジルコニアは自分の歯をできるだけ残してセラミック治療を行える
  • 乳歯には乳歯用の治療法がある

今の年齢でセラミック治療を行っても大丈夫か気になるときは、まずは複数の歯科医院で相談してみましょう。相談した結果、治療に対する理解を深めてから治療を受けることが大切です。


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