歯並びを整えるためにマウスピース矯正を始めたものの、「マウスピースがなかなか外れない」「着けるときに壊してしまわないか不安」と、日々の着脱に苦戦していませんか?
マウスピース(トレー)は歯を効率的に動かすために非常に精密かつタイトに作られているため、特に治療開始直後や新しいステップに進んだ直後は着脱にコツが必要です。無理な力をかけるとトレーの破損や歯の痛みに繋がることもあるため、正しい扱い方を身につけることが矯正成功への近道となります。
この記事では、歯科医師の視点からマウスピース矯正で装着するトレーの着脱のコツや注意点を詳しく解説します。
この記事を読むことで、マウスピースをスムーズに着脱するための具体的な手順や専用アイテムの活用法、装着中の飲食に関するルールを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな疑問が解決
- マウスピースが硬くてうまく外せないときはどうすればいい?
- 爪が長かったり短かったりしても簡単に外せる方法は?
- アタッチメントがついている場合の着脱で気をつけることは?
- マウスピースを着けたまま飲食しても大丈夫?
目次
一般的なマウスピース矯正のトレー着脱方法
トレーは歯を動かすために密着するようにつくられているため、着脱方法に慣れるまでは少し手間がかかってしまいます。
まずは、一般的な着脱方法をご紹介します。
トレーの着け方
提供:南青山矯正歯科クリニック
装着時は、トレーを歯に垂直に入れるように前歯から奥歯への順で入れます。
歯並びによっては左右並行ではなく、どちらかに傾けなければ入りません。初めのうちは鏡を見て確認しながらゆっくりと、あまり力を入れ過ぎずに装着をしましょう。
上下の歯で噛みしめて装着すると、破損の原因になりますので必ず手で行いましょう。
トレーの外し方
提供:南青山矯正歯科クリニック
外すときは、トレーと歯の隙間に親指と人差し指を入れます。左右どちらかの奥歯の舌側に爪を引っ掛け、外側に開くように外してください。続けて反対側の奥歯を外します。片側の奥歯をはめたまま前歯を外すと前歯に強い力が加わりやすいので、左右奥歯を先に外すのが理想です。
左右両方の奥歯が外れたら、あとは前歯だけなので両手で前歯の外側と内側をそっとつかんで外しましょう。
マウスピース矯正のトレーを外したときの注意点
1日20時間は必ず装着しなければならないトレーですが、外したときなどの注意点をご紹介します。
食事をするとき
食事のときは、必ずトレーを外しましょう。トレーを外さずに食事をすると、トレーが変形してしまったり、割れてしまう原因になります。また、トレーへの着色や食べ物の付着の可能性があり、衛生面からもおすすめはできません。
食事後は必ず歯磨きをして、お口の中を清潔にしてからトレーを着けるようにしましょう。また外食先では、おしぼりにマウスピースを包む方がおられますが、包んだことを忘れて店員さんが回収してしまうケースもあるので、あまりおしぼりに包まないように気をつけましょう。
間食をするとき
間食のときも、お食事のときと同じです。「少しだから…」とはいってもトレーを外さずに何かを食べると、トレーの変形や割れの原因、着色や食べ物の付着で清潔な状態を保てません。
マウスピース矯正を行っている方の中には、間食するためにトレーを外すことが面倒になって間食が減り、ダイエットになって良かったと喜ばれる方も少なくありません。
飲み物を飲むとき
トレーを着けたまま飲んでいいものは水だけです。コーヒーや紅茶、お茶、ワインは着色の原因となり、ジュースなどの甘い飲み物は虫歯の原因となり、熱い飲み物はトレーが変形してしまう恐れがあります。可能であれば、甘くない飲み物(ブラックコーヒーや無糖のストレートティーなど)や冷たい、またはなるべく冷めた飲み物を飲むようにしましょう。
アタッチメントを付けている時の着脱
矯正力を上げる役割のあるアタッチメントが歯の表面につく場合は、トレーの装着方向が3次元的に複雑になることがあります。人によってアタッチメントの形やサイズ、数は異なりますが、アタッチメントは正しく装着されていなければ、歯を計画通りに動かすことができなくなるので注意が必要です。
専用アイテムを使って着脱を助ける方法
ネイルをしていて爪が長い方や、お仕事の関係で爪が短い方は、トレーの着脱がスムーズにできなくて時間がかかってしまうこともあります。そのような場合に使える専用アイテムをご紹介します。
アライナーリムーバーを使って外す
提供:南青山矯正歯科クリニック
爪が長すぎたり、短すぎたりすると、トレーを外すことが難しいときがあります。そのような場合にアライナーリムーバーという専用のアイテムを使うと、簡単にトレーを外すことができます。また、アライナーリムーバーには様々な種類の商品があります。
アライナーチューイーを使って歯にフィットさせる
提供:南青山矯正歯科クリニック
トレーが正確に装着できていないと、歯が動かない場合があります。そのようなことを防ぐにはしっかり、歯とトレーをフィットさせることが大切です。そのためにアライナーチューイーというシリコン製のロールがあります。
正しい位置にトレーが入っていることが確認できたら、アライナーチューイーを噛みながらフィットさせましょう。アライナーチューイーも様々な商品があり、中にはフレーバー付きのものもあります。
【まとめ】マウスピース矯正で装着するトレーの着脱のコツを歯科医師が紹介
マウスピース矯正で装着するトレーの着脱のコツや日常生活での注意点について詳しく解説しました。
この記事では、下記のようなことが理解できたのではないでしょうか。
この記事のおさらい
- トレーを着ける際は、前歯から奥歯の順に指で押し、噛んで装着しない
- トレーを外す際は奥歯の内側の縁に爪をかけ、左右交互に浮かせてから全体を外す
- トレーが外しにくい場合は「アライナーリムーバー」などの専用アイテムが有効
- 飲食時はトレーを必ず外し、水以外の飲み物や熱いものによる変形・着色に注意する
最初は手間取ってしまうマウスピースの着脱も、正しい手順を覚え、必要に応じて専用アイテムを活用することで、ストレスなく日々のルーティンに組み込むことができます。また、矯正をスムーズに進めるためには着脱だけでなく、装着時間や飲食時のルールを守ることも非常に重要です。
マウスピース矯正は正しい知識を持ってトレーを扱うことで、より快適にそして確実に理想の歯並びへと近づけることができます。もし「どうしても外れない」「痛みが強い」といった不安がある場合は、無理をせずにかかりつけの歯科医師に相談してみましょう。
マウスピースの正しい着脱のコツをマスターして、自信の持てる美しい笑顔を手に入れてください。

